日本のIT技術が他国に比べて遅れている要因は多岐にわたりますが、企業文化と組織の意思決定プロセスが大きな影響を与えています。これを、OrbitzがWyndhamホテルに買収された事例と比較することで、明確に理解することができます。
日本では、ソフトウェア開発の重要性を理解していない人にしばしば重要なポジションが与えられます。これにより、技術的な指示が不適切になりがちで、結果として効率的でないプロジェクト管理が行われることがあります。さらに、有能な技術者が不必要に多くの文書作成に時間を費やすことも一因です。このような文書は、多くの場合、形式的なものであり実際のプロジェクト進行にはほとんど貢献しません。
多くの大企業では、重要な決定を下す際に多数の決裁者の承認が必要とされ、このプロセスがプロジェクトの進行を遅らせます。各決裁者が自分の意見を反映させたいと考えるため、最終的には折衷案が採用されがちで、革新的なアイデアや特徴的なサービスの開発が阻害されます。
Orbitzの事例は、技術統合の失敗が如何に企業の潜在能力を制限するかを示しています。OrbitzがWyndhamホテルに買収された後、技術的な不整合が原因でサービスの質が低下しました。これは、適切な技術的評価や統合プランニングの欠如が原因であり、日本企業が直面する問題と非常に似ています。
つまり買収もとにITの技術が不足していたため、運用がうまく行っていない。
結果として買収は失敗に終わっているということです。
日本でも国がリリースしているマイナンバーカードやアプリなど操作性が非常に悪いものが多い。
「Visit Japan という日本に入国するときに手続きが簡単になる」という政府の作った、コロナ時にアプリを海外から日本にはいる際に使ったがひどいアプリだった。
Visit Japanが悪いアプリである理由は3つある。
1については、海外からコロナワクチン接種証明書を登録したのだが、それを海外の飛行場のチェックインカウンターで、見せることができないため、飛行機に乗れなかった。
仕方ないのでワクチン接種した病院が大きいところだったので24H空いていた。そこへ連絡して名前を伝えて、スマホにワクチン接種の画像を送ってもらった。これが小さな病院だと飛行機に乗れなかった可能性が高い。
その送ってもらった画像見せて飛行機に乗ることができた。他にも同様の理由で飛行機にのれない日本人が一人いた。
どうしてこのような仕様になっているかというと、WEBアプリにしてログインしてから内容を表示することになっているが、大抵の日本のアプリはセキュリティーが堅牢なことを要求され、海外からのアクセスを禁じている。これは政府が製造するマニュアルのセキュリティ対策に挙げれれている。
お役所の人間はセキュリティが高ければ何でもいいと考えていて、実際にどのように使われるのか、理解できない素人である。
そしてアプリを発注された方も、NTTや富士通など大手企業のため実際に、仕様書やユーザー定義書(どのようにユーザーが使うのか)やコードを書くのは孫請け企業、ひ孫受け企業である。
そこの開発者の声は無視されてしまう。
結果として海外から登場するときに、飛行機のチケットとパスポートとコロナワクチン証明書を見せる必要があるのだが、一度Visit JapanにPCから登録したものでさえ、海外アクセス禁止のため見せることができず飛行機に乗れない事態となる。
アクセスできないならせめて大した容量でもないのでスマホアプリ内に保存しておくなどの方法がとれないものか?
と思うのだけど、この原因は、テスト不足によるものだと思う。
テストというのは、完成したアプリを様々な条件下で利用してバグが出ないかどうか確認する作業です。
日本国内だけでテストしてOK、問題ないと考えたのかもしれない。
そこで素人のお役所には日本国内だけのテスト試験表や結果をみせて問題ないことを伝えたのではないかと推測される。これは日本のお役所が素人のため簡単にごまかしやすいというのも原因の一つではないか?
実際に海外からテストするとアクセスできなくてこまる。そしてそのテスト仕様書を発注元のお役所に見せるとお叱りをうけて次の業務が受託できなくなる。
日本人ならこれは日本国内のSIMを持っているから大した問題ではない。
しかし飛行場の検疫でワクチン証明書を見せる場所は、SIMカードが売っている手前である。
当然外国人はまだSIMがない状態なので、使うことができない。Visit JAPANアプリを使いながら立ち往生している外国人がたくさんいた。
私も海外が長かったものだからコロナワクチン証明書を表示できなくて困っていると、親切な係員が関西空港のWIFIの接続先を教えてくれた。
「おおさすが日本、おもてなしの国!」
と喜んでいるのもつかの間、パスワードなしで接続できるため、WIFIに接続して数分したら、
あなたが茨城県でフェイスブックにログインしようとしています。許可しますか?
と表示される。WIFIのセキュリティが甘いため自分のIDが割れている。もしログインを許可していたら侵入されていただろう。
Visit Japanにログインしているのだから、セキュリティも問題ない。
どうしてこのような仕様にしなかったのか?
これも発注者である政府の担当者がほぼ素人のためきづかなかったのでは無いかと推測される。
または発注者が海外から日本に入国する時のテストをしていないのかもしれない。
はやりテストは発注者も責任を受注先企業に責任を取らせるのではなく、自分たちも主体的にテストすべきだと考える。
このような事態を防ぎ、税金の無駄遣いを防ぐためにも、官公庁が発注するソフトウエア業務の有資格者の数や資本金制限を撤廃して、逆に小さな会社(実際の孫うけ企業)従業員10人以下の企業に発注するようにすればほぼすべての問題はかいけつできるのでは無いだろうかとそしてそうしなければ日本のITに未来はないのではないかと思う今日このごろです。
何故かというと、孫請企業は海外にいることも多く、日本政府が税金を使って発注している知財が日本国内にとどまらないからです。