今日は、観光業界について考えて見たいと思います。
2020年9月、旅行会社大手の企業が軒並み、昨年の売上のなんと数%しか売上が上がっていません。このようなニュースがありました。
近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT-CTホールディングス(HD)の国内、海外のすべての旅行の取扱高を示す数字だ。昨年5月は500億円を超えていた取扱高が、今年5月は6億円にまで激減している。4月も同2.6%にとどまった。-ダイヤモンド・オンライン
コロナウイルスの影響で軒並み、売上が下がっています。
仕方ないでしょうか?
逆にコロナウイルスの影響の中でも、売上を伸ばしている、企業もあります。
何が違うのでしょうか?
考えてみましょう。
本社はカルフォルニアにあります。
宿泊施設や、民泊を貸し出す人向けのWEBサイトを運営しています。
世界192カ国の33,000の都市で80万以上の宿を提供してます。
ここの業績も、コロナウイルスの影響で一時的に、大きく下がりました。
しかし、2020年5月から、利用者は増加に転じています。Airbnbの広報サイト
2020年7月、コロナウイルスの影響下でも、同サービスのユーザーは世界で1日にAirbnb施設を100万泊以上予約しました。これは3月3日以来初めてのようです。
Airbnbは最初、民泊だけでしたが、ユーザーは観光ではなく、体験を求めていることに気づき、民泊とセットで、様々な体験ができる民泊を提供しています。
それだけでなく、それを取り入れ、柔軟に対応しています。今では、民泊だけでなく、観光業界にも進出し始めているのです。また、賃貸経営の分野まで業務範囲を広げています。
そしてそれは、このコロナウイルスの悪影響化でも業績を伸ばす要因となっています。
日本の従来の観光業と何が違うのでしょうか?先ず異なっている点を上げたいと思います。
1-日本大手の旅行会社は主に国内が主な市場だが、Airbnbは世界192カ国に展開している
2-AirbnbはIT、WEBシステム構築は自分たちが製造している。外注に出していない。
3-顧客のニーズ、情報を取得でき、またそれに対応している
このような差異があるのはなぜでしょうか?
創業者が若いという点もありますが、最大の要因は、
そのため、顧客のニーズを拾えるので、時代に合わせてうまく対応しています。
Airbnbは、ただ、観光地を訪れて写真を取るだけでなく、異世界での体験が大きくユーザーの顧客満足度を上げることに気づきました。
旧来の日本大手の観光業だと、どのようにユーザーのニーズを拾うのでしょうか?
1-旅行が終わった後に、アンケートに記入してもらいます。
一体どのくらいの割合の人がアンケートに答えてくれるでしょうか?
更にそこから、根深い問題があります。
アンケートを回収した会社の従業員が、本当に必要な情報を握りつぶしてしまう、という事です。
例えば、〇〇の担当者の対応が悪かった、、、、というアンケート結果を当人が受けっ取ったとして、それを上司に報告するでしょうか?
また、こんな体験のある観光をもっと増やしてほしい、、という要望があった時に、それを実現することによって、仕事量がかなり増えると感じた、担当社員がそれを上層部に報告するでしょうか?
しかし、企業の上層部は必要な情報は上がってきているはずだ。と考えています。
それで、危機の時にどうすべきか?どうしているかというと、高い費用をかけてコンサルタントを雇います。
でも本当は、現場に答えがあるのです。
船井総研というコンサルタント会社がありますが、あそこが言っていることはほぼ一つです。
ここにも一つの答えがあると思います。
IT部門を内製化することにより、ユーザーのニーズをそのまま経営陣が知ることができるという点です。
Amazonは、顧客からのクレームや問題に直ぐに対応しないと、ジェフベソスの雷が落ちることを知っています。なので、担当者は必死になって問題の原因を調べたり、調査して対応しないといけません。
それは、最高責任者が、1クライアントの要望、クレームに目を通しているからです。これができるのもITの力です。従来型のピラミッド構造だと、CEOに行くまでに、都合が悪くなる、中間層が情報を握りつぶしてしまいます。
Airbnbの例と日本の観光業を比較してみても、IT部門の内製化は必須ではないでしょうか?
いまは、ITは外注に出している時代ではないのかもしれません。